避妊手術・去勢手術

不妊手術は生殖を不可能にする手術です。小動物臨床では雄の不妊手術を去勢手術、雌の不妊手術を避妊手術と呼ぶケースが多いようです。セイ動物病院では、雄猫・雄犬の不妊手術を去勢手術、雌猫・雌犬の不妊手術を避妊手術と呼んでいます。

手術の方法として、小動物臨床においては、雄の場合は精巣の摘出、雌の場合は子宮と卵巣の摘出、又は卵巣のみの摘出を行うケースが多いです。セイ動物病院ではオスの場合は精巣摘出術、メスの場合は子宮卵巣摘出術を選択しています。


雄猫の去勢手術

去勢手術の目的

第一の目的は繁殖を不可能にすることです。また、攻撃性が強い、マーキングをするといった人間と生活していく上で問題となる行動を抑制する目的で去勢手術を行うケースもあります。特に雄猫の場合はマーキングについて相談を受けることが多いです。100%ではありませんが、去勢手術を行うことでこれらの問題行動が軽減されることがあります。

手術の方法

全身麻酔下で精巣を摘出する手術になります。陰のう部分の皮膚を少し切開して、精巣を引き出し、結紮して切除します。

デメリット

肥満

去勢手術をした結果、ホルモンの変化や行動の変化等により消費エネルギーが減少します。このため手術前と同じだけエネルギーを摂取すれば当然太ってしまいます。

肥満は糖尿病や下部尿路疾患のリスク増加につながります。

去勢手術後は、食事の量を適切に調整することで肥満を防止する必要があります。

成長への影響

4ヶ月齢以前での不妊手術は包皮陰茎発達障害および成長板閉鎖遅延の報告があります。臨床的な問題は起こさないようですが、当院では念のため5から6ヶ月以降での手術実施をおすすめしています。

ノラネコ、人に馴れていない猫の場合

手術のスケジュールや術式は通常の場合と違いはありません。しかし、馴れていない猫の場合、手術前の状態チェックができないことがあります。術前のチェックができない場合、麻酔のリスクという点では不明確な部分があり通常の去勢手術よりもリスクが高くなってしまいます。

セイ動物病院で去勢手術をご希望の際は

事前にご予約下さい。日帰りの手術になります。手術当日の朝は絶食して下さい。午前中に来院していただき、お昼に手術を行い、麻酔の覚醒状態を確認した上で午後に退院となります。


雌猫の避妊手術

避妊手術の目的

第一の目的は繁殖を不可能にすることです。また、雌猫の場合は、発情の際の特徴的な鳴き声に困って避妊手術を希望されるケースも多いです。発情に伴って見られる行動は、避妊手術を行うことで解消される可能性が高いです。

手術の方法

全身麻酔下で卵巣および子宮を摘出する手術になります。腹部の正中を切開して、卵巣および子宮を結紮し切除します。

デメリット

肥満

雄猫の場合と同様ですが、避妊手術をした結果、ホルモンの変化や行動の変化等により消費エネルギーが減少します。このため手術前と同じだけエネルギーを摂取すれば当然太ってしまいます。

肥満は糖尿病や下部尿路疾患のリスク増加につながります。

避妊手術後は、食事の量を適切に調整することで肥満を防止する必要があります。

成長への影響

4ヶ月齢以前での不妊手術は成長板閉鎖遅延の報告があります。臨床的な問題は起こさないようですが、当院では念のため5から6ヶ月以降での手術実施をおすすめしています。

ノラネコ、人に馴れていない猫の場合

馴れていない猫の場合、前述の通り手術前の状態チェックをできないことがあるのが難点です。術前のチェックができない場合、麻酔のリスクという点では不明確な部分があり通常の避妊手術よりもリスクが高くなってしまいます。

また、入院日数が変更になる可能性があります。セイ動物病院では通常避妊手術を行う際は日帰りもしくは1泊2日の入院になります。しかし、馴れていない猫さんの場合は、極度に怖がる、暴れてしまうといった理由で入院管理ができないケースがあります。このような場合は入院するメリットがなくなってしまいますので日帰りとなることがあります。

セイ動物病院で避妊手術をご希望の際は

事前にご予約下さい。日帰りもしくは1泊2日の入院手術になります。手術当日の朝は絶食して下さい。午前中に来院していただき、お昼に手術を行い、日帰りもしくは1泊2日入院して退院となります。


雄犬の去勢手術

去勢手術の目的

第一の目的は繁殖を不可能にすることです。また、精巣から分泌されるホルモンの関与が疑われる疾患においても去勢手術を行うケースがあります。前立腺腫大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などがこれに該当します。

手術の方法

全身麻酔下で精巣を摘出する手術になります。陰のう付近の皮膚を切開して精巣を引き出し、結紮切除します。皮膚を縫合して終了です。術後1週間ほどで抜糸になります。

デメリット

犬種や成犬時の体重によっては、去勢手術により腫瘍の発生率や関節障害の発生率の上昇があるため、犬種ごとに判断する必要があります。

猫と同様に、太りやすくなるため体重管理に注意が必要です。

セイ動物病院で去勢手術をご希望の際は

事前に電話でご予約下さい。日帰りの手術になります。手術当日の朝は絶食して下さい。午前中に来院していただき、お昼に手術を行い、麻酔の覚醒状態を確認した上で午後に退院となります。


雌犬の避妊手術

避妊手術の目的

第一の目的は繁殖を不可能にすることです。また、子宮卵巣を摘出してしまえば将来子宮や卵巣の疾患になる心配がなくなります。代表的なものに子宮内膜炎、子宮蓄膿症、卵巣の腫瘍があります。

手術の方法

全身麻酔下で卵巣および子宮を摘出する手術になります。腹部の正中を切開して、卵巣および子宮を結紮し切除します。犬の場合、猫と比較すると、卵巣周囲の脂肪組織が多いため多少手術がやりにくい傾向があります。

デメリット

犬種や成犬時の体重によっては、避妊手術により腫瘍の発生率や関節障害の発生率の上昇があるため、犬種ごとに判断する必要があります。

また、避妊手術後に尿失禁が発生することがあります。

猫と同様に、太りやすくなるため体重管理に注意が必要です。

セイ動物病院で避妊手術をご希望の際は

事前にご予約下さい。日帰りもしくは1泊2日の入院手術になります。手術当日の朝は絶食して下さい。午前中に来院していただき、お昼にに手術を行い、日帰りもしくは1泊2日入院して退院となります。


市町村からの補助金

自治体によっては避妊手術、去勢手術の補助金制度を設けている場合があります。助成の条件、申請方法等は自治体により異なります。また、手術前に申請が必要な自治体もありますので、助成制度の利用を考えている場合は、事前にお住まいの自治体にご確認下さい。